虹の向こうへ♪/しまなみ海道100kmウルトラ遠足(3)

 しまなみ100kmが終わって3日目。ようやく筋肉痛も弱くなってきましたが、まだまだ筋肉の芯の方に疲労感がたっぷり残っているようです。今日で3日連続の休足日となりました。

 さて、それではなみのりの「しまなみ完走レポート」の続きです。

 ここまで快調に来た100kmの序盤ですが、30km過ぎの因島大橋は、高所恐怖症のなみのりに与えられた、いわば最初の試練でした。2段になった橋の上段が自動車道、下段が原付と自転車・歩行者道で、こんな感じになっています。

ちなみにこの写真は僕が撮ったものではなく、ネット上にあったものを拝借しました。

 こんな風に道幅が狭く、両サイドの金網を通して下の景色が丸見え。ホントは我々ランナーは歩行者としてこのグリーンの部分を走らなければならないのでしょうが、足がすくんでしまいそうなので、僕は前後に原付が来ないのをいいことに、広い方の黒っぽい路面の方、できるだけ真ん中に近いところをゆっくりと走りました。前を向くと視界が広くなるので、視線を落として、できるだけ周りが視界に入らないようにして、ゆっくりと進みました。
 「オーシャンビューを楽しみたい♪」なんてのんきに言ってた自分のアホさ加減に嫌気がさしました。これからずっと橋を渡るたびにこの恐怖と闘わなければならないのか?もうやめて帰ろうか!?とか考えながら何とか渡り切りました。ふーっ・・・・(_ _ゞ

 因島大橋を渡ると2番目の島、因島(いんのしま)です。34.7kmの因島・アメニティ交流館は大きなエイドでした。スポーツドリンクだけでなく、ここだけで飲むことができるしぼりたてのみかんジュースは最高でした。他にも、はっさくや梅干しやプチトマトなどいろんなものがあっていたれりつくせり。思わずしばらく休憩していきたくなります(^-^;
 今回、エイドではできるだけくだものなどを少しずつでも摂取するように心がけました。ウルトラをたくさん経験しておられる方には常識だと思われるリクツを少し。フルマラソンではエネルギーとなる糖分を枯渇させないようにカーボローディングをしたりします。しかしウルトラではあまりカーボローディングについてうるさく言いません。それは、ウルトラの距離となると体内の糖分を枯渇させずに走り切ることはそもそも不可能(体内の糖分はカロリーにして最大1800kcalほどで、体重60kgの人なら最短約30kmで使い果たす計算)なので、レース途中でうまく糖分やミネラルを補給しないと走り続けられないのです。胃腸のトラブルなどで補給ができないとエネルギー切れを起こして走れなくなってしまうというわけです。
 自分としては、酷使する筋肉を修復するアミノ酸サプリと痙攣予防の塩サプリは定期的に補給しつつ、エイドではフルーツや炭水化物を少しずつでも毎回補給することでエネルギー切れを防ぐ作戦、というわけです。

 40kmが近づいてきました。アタマの中ではエリック・クラプトンの“Somewhere Over The Rainbow”が鳴っています。なんだか、今回の10時間の間中ずっとこの曲がアタマの中で鳴っていたように思います。あれから3日間、今でも毎日聴いています。

 フルマラソンに近い距離。練習でもめったに走ることのない距離。さすがに疲れをはっきりと感じるようになってきました。
 
 このコースはしまなみ海道のサイクリングコースをほぼ踏襲していて、道にずっとサイクリングコースを示す青いラインが引いてあります。またところどころに「今治まであと●●km」と表示されています。このあたりでたまたま「今治まであと60km」とかいう表示を見て、「40kmも走ってこんなに疲れたのにあと60km!!!???」と絶望の暗闇に突き落とされたような暗い気持ちになりました。この絶望感はウルトラならではです。もう100kmの大会なんてやめよう、と思いました。

●40km  55:55(5:35/km) 3時間27分33秒

 フルマラソンの距離、42.195kmは自分のガーミン405でチェックすると、大体3時間38分くらいでした。平均ペースはキロ5:10ほどです。疲労も強くなってきたし、さすがにこのペースはやり過ぎだろうと、ちょっとペースを落ち着かせることに。とにかくアタマにあったのは、前半はキロ5:30平均ということですが、この調子なら少し余裕を持って設定ペースを刻めるか?エイドの度に後続を確認しますが、ヘンリーさんもイクシーさんも来てる様子がありません。おかしいなぁ・・・


 写真はおそらく因島のどこか・・・よく覚えてない・・・(^^;

 40kmを過ぎるとまた橋です。さっきの因島大橋が怖かったので橋に上るのがなんだか憂鬱です。
 3つ目の橋「
生口島大橋」を渡って生口島(いくちじま)へ。





 この3番目の橋は、驚いたことに、大丈夫でした!写真のように広い自動車道の脇に歩行者・自転車道路と原付道路が併設されていて、道幅も広く、ほとんどストレスなく、あっけないほど気持ちよく走れました。さっきの橋は足がガクガクしそうだったのに、この違いは何なのか自分でもよくわからない・・・(^^;

 疲労感がかなり強くなってきました。特にふくらはぎがパンパンです。萩往還70kmの後半を思い出しました。まだ半分も行かないのにこんな調子じゃ、後半はいったいどうなってしまうんだろうと、だんだん弱気の虫がアタマをもたげてきます。
 49.6kmの「B&G海洋センター」が中間点エイドです。やった!ここで少し休める!ここまでのエイドは給水とちょっとしたフルーツの補給程度で、だいたい30秒〜2分くらいで通過していましたが、ここでは少し休むことにしました。預けておいた荷物からアミノバイタイルプロなどのサプリメントをウェストポーチに詰め、疲れてきたふくらはぎにエアサロンパスを噴射。もちろん給水。そしておにぎり1個と梅干しやレモンを少々。このあたりでは暑さもだんだん堪えるようになってきたので水浴びをしてリフレッシュ。なんだかんだでここでは約6分間過ごしていました。
 このエイドに着いた時間がトータル4時間20分。出発したのが4時間26分くらいです。ここで休んでいる間にヘンリーさんとイクシーさんが来るだろうと思っていましたが、二人とも来ません。そんなに差がついているとは信じられませんでしたが、あまり休んでもいられないのでほどほどにリスタート。
 ここを出てしばらく行くと50kmポイント通過です。

●50km  1:01:17(6:08/km) 4時間29分51秒


 海洋センターを過ぎて再び元気を取り戻したかと思ったのもつかの間でした。50kmを過ぎて1kmか2kmも行かないうちに激しい疲労感に襲われました。ちょうど生口島の市街地「
平山郁夫美術館」のあたりだったと思います。小さな公園の公衆トイレに入りました。用を足したいというより、休憩したかったような気がします。今回最初で最後でしたが、自販機でドデカミンを買って、立ち止まって飲みました。喉が渇いたというより、休憩したかったのだと思います。さっきまで休憩していたのに。バス停を見ると、ここでレースをやめてバスに乗って今治まで行こうかと考えていました。
 このほんの数キロの間に随分たくさんのランナーに(たぶん10名くらい)抜かれました。ペースもいつのまにかキロ7分くらいに落ちています。10kmほどの間に、快調に感じていたのが嘘のような絶望的な疲労感です。しかもこの状態でまだ半分を残しているとは!こんな絶望感との戦いがウルトラならではなのでしょうか?もうウルトラなんて嫌だ〜!

 苦しみにあえぎながら海岸線を走っているうちに、確か55kmのポイントがあったような。

●55km  36:41(7:20km) 5時間6分32秒

 55kmを過ぎるとサンセットビーチという僕好みのきれいなビーチのエイドにたどり着きましたが、このあたりのことはほとんど覚えていません。こんな調子じゃいったい後半どうなるんだ〜?無事にゴールできるのか?と不安になります。

 ただ、55kmを過ぎるとなぜかわかりませんが、また少し元気が出てきて、ペースも上がってきました。海洋センターでのおにぎり等の補給の効果がようやく出てきたのでしょうか?
 いつか聞いたことがありますが、「ウルトラは復活しながら走る」のだとか。わけわかりませんが、確かに50km〜55kmはもうどうしようもないほどヘロヘロになっていたのに、足取りがまたしっかりとしてきたことを実感できるようになってきました。また走るのが楽しくなってきました。



 そうして、4つ目の橋「多田羅大橋」を渡り大三島へ。

 明日へ続く→→→→

■今日の練習
休足日 0km
軽いストレッチ
今月累計 100km


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コメント
よく高所の恐怖に打ち勝って走れましたね(*´∀`p〃q パチパチパチ
残りの距離に絶望感を覚えながらも、弱気虫と戦いながらも走り続けられたんですね。
想像するだけでビビりそうになります。
さあ、ここから後半です!
なみのりさん、頑張れ〜!!
高い所が苦手でも そこから見えた景色は綺麗だったのではないでしょうか(^o^)(^o^)

ペースがゆっくりでも「ジワジワと」ダメージが貯まっていくのですね(^^;(^^;
「エイド」で休憩・栄養補給をしても そのダメージは「全く抜けていない」感じですか('_'?)

そうなんですよね
普通30kmも走れば疲れてくるんですから
40kmも走れば、そうなるんですよね
後は100km走るんだ!!って気合いだけですよね
あっそこはこれからでしたね(笑)
としさん、ありがとうございます。
今考えても、ウルトラは辛いですね〜。
もう走らないかもしれません(^^;
後半にこうご期待!?
  • なみのり
  • 2013/06/05 11:27 PM
monoranさん、景色は正直思っていたほど楽しめませんでした。余裕がありませんでした。
エイドでの補給は確かに効果があったと思います。あれがなかったら走り切れていないでしょう。
エイドのみなさんに感謝です!
  • なみのり
  • 2013/06/05 11:28 PM
takakiさん、ありがとうございます。
あの苦しい体験を毎年やっているtakakiさんはやっぱり凄いです。
まあでもやっぱりゴールがあるから走れるんでしょうね。
  • なみのり
  • 2013/06/05 11:29 PM
「しまなみもなみのりもやっぱりすげえや♪」/「しまなみ海道にもオオカミがいたよ(3)」

 因島大橋を渡ると2番目の島、因島(いんのしま)です。ご承知の通り、東ちづるとポルノグラフィティと村上ショージの出身地です。今は尾道市に編入されましたが、かつては因島市でした。

ちなみに、しまなみ仲間には何度も披露しましたが、東ちづるさんは因島高校の漫画研究会、通称「いんこうのまんけん」出身と聞いています。

大浜崎キャンプ場近くの34.7kmエイドはなみのり先輩にしまなみ攻略法の一つとしてお伝えした、温州ミカンとトロビタオレンジの交配種「清見みかん」のしぼりたてジュースが唯一飲める前半の名物エイドです。かち割りの氷が浮かんでいて、最高に旨い。1杯目を飲み干すと慣れたもので、おかわりポットがあるテーブルに移動、2杯目、3杯目をいただきます。

私もなみのり先輩の語る講釈(広島で言うところのカバチ)はこれまでの経験から体感しているので、特に痙攣予防の塩サプリは定期的に補給を心掛けています。ところが、4杯目の清見ジュースに塩を投入して飲もうとしたところ、受付で配布された20gの「伯方の塩」の1/3くらいが入ってしまいました。一瞬、しまったと思ったのですが、一生懸命、手動のしぼり機でジュースをつくってくれるボランティアの皆さんの前で、捨てるわけにはいきません、一気に飲み干しスタート。気分は一新しましたが、相変わらず足は前に出ません。

なみのり先輩に追いつくどころか、早くも足にきてしまいました。5分30秒ペースで足をセーブしたにもかかわらずです。エイドを出てすぐの所に「35km」の表示、初めて来たときから、ここだけは距離が短すぎるのはわかりました。おそらく、この先に表示板を設置するところがないのでしょう。今回も、エイドで4杯もジュースをいただいたのに、5kmを21分しかかかっていません。

県道366号線を道なりに進み、1.2kmくらい走ったところで左折、タバコ畑の間の坂を上っていると「ヘンリーさん、師匠はまだ前ですか?」と「なみのり討伐隊」の真打ちイクシーさん登場、「イクシーさん、私、足がもう仕上がってしまいまして、なみのり頼みます」と声かけたところ「えーどれだけ前行ってんの」とか言いながら、さすがサブ3ランナー、スタスタとかわしていきます。なみのり先輩には会えそうですが、イクシーさんには今日はもう会えないかな。

表示上「35km」と「40km」の間は毎回、私の鬼門の箇所です。途中、因島フラワーセンターと因島運動公園を通るのですが、それぞれ小高い丘の上にあるので、5kmの間に二つの上り下りがある前半のポイント区間です。私は例年ここで、多くのランナーに抜かれるのですが、今回は34.7kmのエイドで口にした塩が効きすぎて、体が熱くてたまりません。たまらず、この区間500mlのペットを2本給水するはめになり、20人くらいのランナーにだだ抜かれ状態になりました。

 やっと40.1kmのエイドに着いた時には、それまでのエイドと顔ぶれが変わっていました。この5km区間40分を超えています。しまなみ海道のサイクリングコースとほぼ同じコースのため、コース上にそれを示す青いラインが引いてあるのですが、経験から、「今治まであと○○km」のプラス3kmがこの大会のゴールだとわかっています。ただ「今治まであと55km」の表示は何度見ても悲しくなります。
  • ヘンリー
  • 2013/06/06 12:03 AM
フルマラソンの距離、42.195kmはガーミンを使わなかったので、はっきりとわかりませんが、大体3時間55分くらいでした。平均ペースはキロ5:34ほどです。自分的には悪くない時計なのですが、なみのり先輩はどこまで行っているのでしょう。本当にあのペースで100km走るつもりなのでしょうか。


おそらく、あの練習量と試合経験からして、ここまでの走りは想像の範囲内です。
でも、スタート前のヒツジ発言からは、この走りは想像できませんでした。

ここで、有権者の皆様に披露しますが、この大会直近の木曜日のチームの練習会では膝に意味ありげなサポーターをつけて現れ、「ブログに書かないし、ましてやヘンリーには絶対言わないけれど、実は少し膝に痛みがあるのです」なんて言ってました。

あの時から、オオカミ中年の駆け引きは始まっていたのかもしれません。

40kmを過ぎると3つ目の橋「生口島大橋(いくちじまおおはし」です。ここから中間点までは結構好きなエリアです。しかも田中さん家の庭を開放した46.2kmエイドの「ふるさとれもんジュース」は地元特産の粉末ジュースを水に溶かしたのものですが、旨いからと、なみのり先輩に絶対に飲むように攻略法として伝えたものです。思い浮かべるだけで、足が前に出そうです。
 
 今年の田中さん家の「ふるさとレモンジュース」は少し水が多めでした。だけど、充分にリラックスしました。3.4km先の中間点エイドまで、抜かれたランナーをペーサーにして、行けそうです。

49.6kmの「B&G海洋センター」にもなみのり先輩の姿はありません。イクシーさんも出発した後のようです。ゆっくりしたいところですが、そうもいきません。預けておいた荷物からゼリーを2つとユンケルを投入し、サプリメントを補充、後半に疲れが出るであろう肩から首筋と腰にフェイタスを塗ります。給水をして足早にスタート、もうすぐ50kmです。

 50km地点がトータル4時間47分。とうとうここまで来てしまいました。49km、4時間40分以上も、なみのり先輩の背中すら見ていません。初めてのコースでもあるし、そんなに差がついているとは信じられませんでした。途中で橋から落ちることはないでしょうが、長いトイレに入っているところを抜いてしまったのか、途中エイドで長い休みをとっているところを抜いたのかなど、都合のいい考えばかりが浮かんできます。

 50km地点から55km過ぎのサンセットビーチのエイドまでは、だらだらと海岸線に沿って続く道路についつい心が折れそうになります。35kmのトイレをスルーしてから、トイレの時間を惜しんでなみのり先輩を追いかけてきましたが、そろそろこちらは限界が近づいてきました。次のエイドではトイレに行こう。これを目標に足を進めます。なみのり先輩はここを絶望感たっぷりに走ったそうですが、私はそろそろトイレに行けることと、なみのり先輩をつかまえられるとの希望で包まれていました。
 
 しかし、二人ともキロ7分台・・神様だけがこの泥仕合を見ていたのでしょう。

 県道81号線からボードウオークに入るとしばらくして55kmの表示がありました。昨年はところどころ朽ちていて、波打って走り辛かったのですが、今年は一部改修されており、ストレスが少なくなっています。勝手知ったるトイレに入ると、この大会でしか見たことのない聖水が体から放出されます。よくまあこれだけ、貯めこんで走っていたものです。体が随分軽くなった気がします。

エイドでうめぼしを2つ食べ、サプリメントを補給して、なみのり追撃の準備は整いました。多田羅橋までに6人を抜き返しました。
  • ヘンリー
  • 2013/06/06 12:06 AM
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●主なレース実績

○2008年12月21日(日)
第39回防府読売マラソン 3:42:00
○2013年5月4日 第23回山口100萩往還マラニック《70km》 7:45:23
○2013年6月1日
第13回しまなみ海道100kmウルトラ遠足 10:10:39
○2015年2月1日
第64回別府大分毎日マラソン 3;04:39
○2015年5月3日4日(祝)
第27回山口100萩往還マラニック《B140km》 18:51:08
○2015年12月20日
第46回防府読売マラソン 2:58:43

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