乳酸について考える
「乳酸閾値」「LT(Lactate Threshold)」。これがマラソンのレースや練習で重要なキーワードです。つまり『ランニングの強度が高まるにつれ、血中の乳酸濃度が急に高まるポイントがあり、その強度(心拍数やペース)が「乳酸閾値」であると。それを超えると血液に乳酸が蓄積され、ペースを維持できなくなる。だからレースではその「乳酸閾値」以下の強度で走ればペースを維持できる。また練習で閾値を向上させれば速いペースでも長く走れるようになる。』そう理解しています。だからガーミンではわざわざ「乳酸閾値」を測定できる機能を搭載し、ダニエルズ氏をはじめとした著名なコーチの本では「閾値走」などのメニューを重要視しています。
ただ一方では、「乳酸は疲労物質ではなくエネルギー源である」とする理論もここ数年よく目にします。というかこちらの方が主流となりつつあります。そこで疑問。
- 「乳酸がエネルギーなら、乳酸閾値(LT)とは理論的に矛盾してるのでは?
そこでこんな本を買いました。
「乳酸を使いこなすランニング」八田秀雄著(大修館書店)
しばらく前になりますが、このblogに時々コメントをくださるまーさんが教えてくださった本です。まーさんありがとうございます。注文してから気づきましたが、僕の幼いころからの親友が勤務している出版社でした。もしかして彼が手掛けたものかも?
まだ少ししか読んでいませんが、「糖」「脂肪」が分解され「ミトコンドリア」で「酸素」を使ってエネルギー「ATP」を生成するという過程が、僕が知っているより少し深く、しかしわかりやすく解説されています。
上記の疑問についてはまだ最終的な答えは見出されていませんが、とりあえず以下のようなことは言えそうです。
- 「乳酸」は「糖」を分解しエネルギー(ATP)を生成する時にできる代謝物質で、それはミトコンドリアでエネルギー生成に再利用される。
- 運動強度が「乳酸閾値」に達すると「糖」の消費量が急激に増加し、代謝物質である「乳酸」も急激に増加する。ここまでは僕が理解していた通り。
- だが、ここで「乳酸」が溜まるから疲労が増すのではない。つまり「乳酸」が悪者ではない!
- マラソンの後半は「糖」が減っているため、その代謝物質である「乳酸」の産生量も少なくなっている!マラソンゴール後の血中乳酸濃度はスタート前と変わらない!
- したがって、疲労の原因は「乳酸の蓄積」とはいえない!
これらはかなり目からウロコの理論ではないでしょうか?ただ、それならなぜ人は疲労を感じ、後半走れなくなってしまうのか?
これにはいろんな要素があり、一律には語れない、としながらも、
- 血糖値の低下→「糖」の減少により低血糖状態になる
- 筋肉などの疲労
- 体温上昇や脱水症状
- カリウムが血液中に漏れ出す
などの要因がある、と書かれています。ならばさらなる疑問→→
- 乳酸が疲労と関係ないなら、トレーニングで閾値走を行うのはどんな意味があるのか?閾値を向上させる効果とは?
残念ながらそのあたりについては読んだ中には書かれていないようです。そこが大事なんだけど・・・これはここまでの情報での僕の推論ですが、
- 乳酸の処理能力云々ではなく、糖の消費が増える閾値を向上させる、つまり糖の消費をできるだけ抑える能力を高める?
ということなのか?ならば「乳酸閾値」じゃなくて「糖代謝閾値」とかにしろよ!と言いたくなります。このあたりはもう少し読んでみてからまたレポートします。
さて、今日は朝から仕事で、夕方は所用があったので、ランはおやすみとしました。しっかり回復させてまた頑張ります。
■今日のトレーニング
休足日
心拍数 平均---bpm 最高---pm(---%HRMax)
トレーニング強度 有酸素--- 無酸素---
トレーニングステータス プロダクティブ
VO2Max 56ml/m/kg
体幹トレーニング(長友式)/腹筋コース約10分
adizero takumi ren boost3/139km
adizero Japan boost3 869km
nike epic react 701km
nike zoom fly 320km
tarther zeal 6 88km
今月累計:111.3km
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JUGEMテーマ:マラソン・ランニング
- 2018.10.08 Monday
- ランニング本
- 23:44
- comments(6)
- trackbacks(0)
- -
- by なみのり
乳酸が悪者なのかどうかは分かりませんが、増え始めるとペース維持が出来なくなるということは共通認識なのではないでしょうか。
乳酸閾値走(糖代謝走?)を行うことにより、維持出来るペースが上がるというのも経験により分かっているのでは?
本当のことが解明されるまで、まだ時間がかかりそうですよね。